「世界のムナカタ」として世界的に有名な版画家・棟方志功(1903-1975)。生誕120年を記念し大規模な回顧展が開催されています。
以前から気になっていた美術展だったので、はりきって観に行ってきました!
作品点数が多く、とても見応えがあっておすすめの「生誕120年 棟方志功展」の感想を書きたいと思います!
東京国立近代美術館での開催は、2023年12月3日(日)まで。
今回の「生誕120年 棟方志功展」について
棟方志功の人生と作品の流れをとてもわかりやすく見ることができ、棟方志功に大きな影響を与えた3つの地域の美術館(富山県美術館、青森県立美術館、東京国立近代美術館)が協力して棟方志功が芸術家として大成していく過程のなかで大きな影響を与えた土地である3つの地域―故郷・青森、芸術活動の中心地・東京、疎開先・富山―を、最大規模の回顧展として巡回します。
「生誕120年 棟方志功展」の感想
作品数、熱量がすごい!
展覧会の全体の感想は、とにかく作品数、熱量がすごかったです。棟方志功というと、顔を近づけてすごい勢いでパワフルに版画を彫ってるイメージですが、イメージを裏切らない展覧会でした。
油絵から版画、パッケージ、本の装幀、壁画など制作の幅も量が多くて驚きました。また、試行錯誤して自分の作風を作り上げる様も年代を追って見ることができ、とても面白かったです。
今回の展覧会では、かなりの作品が撮影可でした。ここからは撮った作品と共に感想を書きたいと思います。
青森から東京にきた初期の作品
初期の版画の作品です。最初は油絵を描いていたそうですが、模索しているうちに版画に辿り着いたそうです。
展示の最初から大きな屏風や、かなりのボリュームのシリーズ作品に圧倒されました。初期は仏教をテーマにした作品が多かったです。
こちらは珍しい、キリスト教の作品。洋風の掛け軸になっているのが面白かったです。
富山に疎開中の絵画作品
戦争中に富山に疎開した頃は、版画を制作できなかったため、主に絵画を描いていたそう。風景画が展示されていましたが、穏やかで素敵な絵でした。
下は、住んでいた場所の絵地図のような巻物の作品。色使いがきれいです。
お寺の襖絵。かなり大胆な筆遣いです。広いお寺で見たら映えそうです。
戦後、ふたたび版画を再開
木版は普通白い部分を彫って黒い線を残しますが、黒地に白い線を彫る方法を編み出したそうです。これだと彫っている木の状態と刷った状態が同じになるため文字などが彫りやすいそう。それにしても彫りが細かい!
棟方志功の版画の彩色は、裏から色をつけているそうです。それで少しパステル調でやさしい色合いになっているんですね〜。こちらは谷崎潤一郎とのコラボ作品。とてもきれいでした。文字も絵と一体化できるのが版画のいいところですね。
来る仕事はなんでも引き受けたそうで、パッケージの作品がたくさん。色んなお土産物に作品が使われているそうです。
英語も彫りますが、反転して彫るので時々アルファベットの間違いがあるそうです…。
青森のねぶた祭りが大好きだったそうで、衣装のテキスタイルデザインも。
晩年のシリーズ作品の一部。色がついた風景画、好きです。
インドに行った後の作品。すごいバイタリティ。
大好きなゴッホのお墓参りに行った時の作品。
左がひまわり、右がゴッホのお墓の版画。
棟方志功のメガネや帽子、道具なども展示。
最後に、自画像の作品がたくさん。
「生誕120年 棟方志功展」を観た感想まとめ
多彩な内容で飽きることなく最後まで観れました。また、パワフルな棟方志功の作品から元気をたくさん分けて貰うことができました!
棟方志功を知っている人も知らない人も楽しめる展覧会ですので、興味がある方はぜひ観に行ってみてください!おすすめです。