先日、ちひろ美術館・東京で「谷内こうた展 風のゆくえ」を観てきました。
谷内こうたさんは、現在通っている絵本制作の教室の先生に「なつのあさ」という絵本を紹介されてから、ずっと気になっていた絵本作家。今回作品をまとめて見ることができてラッキーでした!
そんな「谷内こうた展」と「ちひろ美術館・東京」の感想を書きたいと思います。
「谷内こうた展」は、2023年10月1日まで。
- 「ちひろ美術館・東京」について
- 「谷内こうた展 風のゆくえ」の感想
- ちひろ 子ども百景展の感想
- 谷内こうたさんの絵本がたくさん!「図書室」
- おもちゃ&絵本がある「こどものへや」
- 「絵本カフェ」で休憩
- 美術館の建物について
- 「谷内こうた展 風のゆくえ」を観た感想まとめ
- 美術館巡りのおすすめ記事
「ちひろ美術館・東京」について
「ちひろ美術館・東京」は、絵本作家いわさきちひろさんの居住跡地にある、絵本の美術館です。場所は西武新宿線の下井草駅から徒歩7分くらいの住宅街にあります。
面白い絵本作家の企画展が時々あり、私は今回3回目の来訪です。
こじんまりしていますが、絵本の企画展&いわさきちひろさんの企画展の2部構成で、かなり見応えがあります。図書室で絵本を読んだりもしたので、気がつくと今回は3時間も滞在していました! 居心地がいいので、ついつい長居してしまいます。建物もきれいだし、ゆったりと過ごせます。
おもちゃがあるキッズルームもあるので、子ども連れでもよさそう。絵本の読み聞かせのイベントも時々あるようでした。
金額は全部ひっくるめて、1000円。1回行くと次回は半額にしてくれて、今回私はなんと500円で見ることができました!
ちなみに長野県の安曇野にも大きなちひろ絵本美術館があり、旅行でそちらにも行ったことがあります。お庭が広くて建物もとても素敵な美術館で、かなりおすすめです!
「谷内こうた展 風のゆくえ」の感想
さて、本題の「谷内こうた展」ですが、とてもよかったです!!
絵本には、子ども向けのものと大人向けのものがあると思いますが、谷内さんの絵本は大人のための絵本だと思います。詩のような文章と絵がとても印象的です。
今回はたくさんの原画と絵本をまとめて見ることができる貴重な機会となっています。
谷内こうたについて
「週刊新潮」の表紙絵などで活躍するイラストレーション画家の谷内六郎や、フランスで活躍した洋画家の青山義雄を親戚に持ち、芸術的な家庭で育ったことが作品作りにかなり影響していたのではないかと思います。
元々画家志望だったようで、展示の作品にはイラストレーションや、油絵作品もたくさんありました。絵本もどこかアート作品っぽいところがあります。
絵本で受賞した後は、ほとんどフランスで暮らしていたようです。
ボローニャ国際児童図書展のグラフィック賞受賞作
1971年に絵本『なつのあさ』が、日本人初のボローニャ国際児童図書展のグラフィック賞受賞作だったそうです。板橋区立美術館で、今年のボローニャ展の展示を見てきたばかりだったので、感慨深かったです。
文章も少なく、絵がメインで表現されているので、海外でも受け入れられやすかったのかなと思います。
「2023年ボローニャ国際絵本原画展」の感想はこちら↓
すごい編集者!至光社の武市八十雄さん
展示の中で度々名前が出てきた、至光社の武市八十雄さん。谷内こうたさん、いわさきちひろさんの絵本を多く手がけた編集者のようです。手掛けた沢山の絵本が海外の絵本賞を受賞しており、谷内さんもかなり助言をもらっていたようです。元々叔父の谷内六郎さんからの紹介のようですが、こういう編集者との出会いの幸運も大きいんだろうな〜と思いました。
谷内こうたさんの素敵だと思った絵本
展示では、谷内さんの絵本をたくさん読むことができました。本屋さんであまり見かけない絵本もあるので、まとめて見ることができてうれしかったです。
谷内さんの絵本は、絵も文も余韻があり、何か違う世界に連れて行ってくれるような不思議な雰囲気があります。
ドイツやフランスなど海外生活が長いようなので、あまり日本人っぽくない、どの国の人でもわかるような感覚的な絵本が多い印象です。
私が特に印象に残っているのは下で紹介する、「のらいぬ」と「なつのあさ」です。
『のらいぬ』
スペインに行った時のイメージで描いたそうで、カラッとして暑い異国の感じが伝わってきます。蜃気楼を見ているような不思議な感覚になる絵本です。詩のような文章がとても印象的です。
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『なつのあさ』
ボローニャ国際児童図書展のグラフィック賞受賞作品。
こちらも、文も絵も詩っぽい絵本です。汽車の音をそういう風に表現するんだ〜と感心しました。夢中になっている子どもの微笑ましい感じもとても伝わってきました。自分の小さい頃を思い出すようなどこか懐かしいような余韻のある絵本です。
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ちひろ 子ども百景展の感想
こちらはいわさきちひろさんの企画展です。テーマを決めて期間ごとに違う絵が飾れているようです。
この展示で面白かったのは、いわさきさんの実際のアトリエが復元されていること。こういうのって結構好きです。昭和の懐かしい重厚感のあるお部屋でした。
メインの展示は、『ぽちのきたうみ』の原画。5歳くらいの犬が大好きな女の子のかわいい感じがとてもよく出ていました。
後は、赤ちゃん〜小さい子どもの描き分けについても展示がありました。これは子どもを産んで育てたからちひろさんだからこそできたことかなと思います。私も3ヶ月の赤ちゃんと1歳の赤ちゃんの違いなんて子どもを産むまでわからなかったです!
小さい子どもの仕草や佇まいなど、本当に描くのが上手だな〜と思いました。
谷内こうたさんの絵本がたくさん!「図書室」
図書室には、たくさんの絵本が置いてあって自由に見ることができます。谷内こうたさんの絵本コーナーもありました。展示の部屋には置いてなかった絵本もあり、ゆっくり座って読むことができてよかったです。
おもちゃ&絵本がある「こどものへや」
図書室の隣にあるのが「こどものへや」。オシャレな木のおもちゃや絵本が置いてあり、自由に遊ぶことができます。靴を脱いで入るようになっていて、赤ちゃんや小さい子を連れて行っても大丈夫そうでした。
「絵本カフェ」で休憩
美術館の入口付近にある「絵本カフェ」でちょっと休憩。長野の安曇野のミュージアムグッズと思われるお菓子とジュースを頼みました。これで500円しないくらいです。カフェといっても通路にテーブルと椅子が置いてある感じなので期待しないほうがいいですが、ちょっと休憩するのにはよかったです。
中庭に向かって座るようになっています。カフェにも谷内こうたさんの絵本が置いてあり、くつろいで読むことができます。
美術館の建物について
いわさきちちろさんの邸宅跡なのですごく広い美術館ではないですが、一つのお家として見るとかなり広いです。お金持ちだったんですね〜。
中庭があり、とても気持ちいいです、お庭にも出てOK。小さい子どもが遊んでました。
廊下に椅子が置いてあったりゆったり過ごせます。空いているのもいいです。
美術館の中はとてもキレイで居心地よかったです。
「谷内こうた展 風のゆくえ」を観た感想まとめ
谷内こうたさんは、知る人ぞ知るような作家だと思いますが、今回たくさんの絵本の不思議な物語をゆったりとした空間で見ることができて満足度が高かったです。
子どものイベントも色々やっているので、小さい子連れでも行きやすそうでした。
谷内こうたさんの絵本をまとまて読んで見たい方は、ぜひ見に行ってみてください!
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